私は、X100VIとFZ55というコンデジ界の中でも対照的な2台を持っています。
かたやコンデジ界のハイエンド機種であり、もう片方はカジュアルなエントリー機種。
そんなコンデジ界の両極端に位置する2代のカメラをあえてこの記事では比較してみようと思います。

どちらも優れている点はあり、人によっては2者の間に20万円の価値差は見出せないかも?
FZ55とX100VI、どちらも使ってわかった「写真の本質」
FZ55とX100VI、どちらもコンデジカテゴリーに入りますが、両方を使い比べるとまったく異なる体験が得られます。
FZ55は「撮るハードルを極限まで下げたカメラ」であり、X100VIは「撮ることを真剣に楽しむためのカメラ」と言えます。どちらが優れているかではなく、“どんな写真体験を求めるか”で選ぶべきです。
両者を比較する上で押さえておきたいポイントは以下です:
- 画質
- 操作性
- 携帯性・軽さ
- 夜景や暗所撮影の強さ
- 動画性能
- カメラとしての道具感・満足感
この6つを順に整理していきます。
X100VIは「作品を生み出す」ためのカメラ



X100VIについて簡単に紹介。
圧倒的な画質


まず、画質はX100VIが圧倒的です。APS-CセンサーとF2.0の明るいレンズの組み合わせにより、解像感、階調、立体感、どれを取ってもFZ55とは次元が違います。特に夜間撮影では差が顕著で、街灯の少ない場所でも美しい光のグラデーションが残ります。FZ55ではノイズが目立つようなシーンでも、X100VIは自然な描写で雰囲気を損なわず撮影できます。
動画性能
X100VIは動画も優秀です。4K対応で、フルHDでもフィルムシミュレーションを適用すれば、色彩や階調が映画のようになります。ブレ補正はFZ55ほど強くありませんが、手持ち撮影でも十分映像として美しい結果が得られます。旅行やVlogでも、ワンシーンごとに“作品っぽさ”を作れるのが魅力です。
操作の楽しさ


X100VIの魅力は操作感にもあります。金属製のボディ、シャッターダイヤル、絞りリング、ISOダイヤルなど、すべての操作が直感的かつ物理的に心地よく設計されています。この“道具感”が、写真を撮る前からワクワクさせてくれるのです。軽くて何でも撮れるカメラとは違い、「構えて撮る楽しさ」を存分に味わえます。
持つ喜び
X100VIは見た目や触感だけでも満足感を得られます。単なる道具というよりも、自分のスタイルや趣味を象徴する“相棒”として所有する喜びがあります。写真体験そのものに価値を置く人には、操作や重量、価格のハードルを超えるだけの価値があります。



知らない人と「どこのカメラですか?」と会話が始まるのもX100VIならでは?
FZ55は「気軽に撮れる」相棒
軽さと携帯性


FZ55は軽量でコンパクト。持ち歩きやすく、バッグやポケットに忍ばせておけるので、旅行や散歩でも“撮ることを忘れない”カメラです。
カメラの重さや操作性を意識せず、自然に撮影できる点はFZ55の大きな強みです。
操作のシンプルさ


FZ55はメニューやダイヤルが少なく、初心者でも迷わず使えます。電源を入れてすぐ撮影可能で、スマホ感覚でシャッターを切れるのは大きな魅力です。
「操作が面倒で撮影の機会を逃す」というストレスがないので、日常的に写真を楽しむには最適です。
画質は控えめだが…


確かに画質はX100VIに劣ります。暗所ではノイズが目立ち、ディテールも甘くなります。しかし、「画質が良い=良い写真」というわけではありません。
意外なことに、FZ55で偶然撮れた写真の方が、現場の空気感や臨場感を表現できることもあります。SNS用のスナップや記録写真としては十分以上の性能です。


夜景・暗所での違い




夜や暗所での撮影はX100VIが圧倒的に有利です。開放F2.0レンズと高感度性能により、街灯だけでも雰囲気のある写真が撮れます。
FZ55は暗所撮影では限界があり、フラッシュを使うと光が浮いてしまい自然な雰囲気が失われます。
「夜景をきれいに残したい」「暗所でも作品レベルで撮りたい」という場合はX100VIが選択肢です。
ただし、FZ55は軽量でサッと取り出して撮れるので、日常の散歩や旅先で気軽に夜の雰囲気を撮るには十分です。
動画性能での比較
FZ55は動画撮影も可能ですが、X100VIほどの“雰囲気作り”は難しいです。
ただし、日常の記録や家族動画、旅行動画を手軽に撮るならFZ55でも十分。軽さや手軽さが、思い出を逃さないための強みになります。
一方、X100VIは動画も作品づくり向け。映像としての色彩・階調が美しく、ブレの少ない仕上がりになりますが、持ち出す準備や操作はやや手間です。
どっちを買うべきか?
結論としては、「撮る目的」によって選ぶべきです。
- とにかく手軽に撮りたいならFZ55 SNS用写真や旅行中のスナップなら、FZ55が最適。操作が簡単で、スマホのようにサッと撮れるので、「撮ることそのものを楽しみたい」初心者向けです。
- カメラデビューならFZ55からスタート FZ55で写真を撮る楽しさを学んでから、より高品質な写真を求めるならX100VIにステップアップ。順番を逆にすると、高価なX100VIを使いこなせずに終わってしまうことも。
- ある程度カメラに詳しく、25万円を払っても後悔しないならX100VI 操作や現像までこだわりたい、写真を“作品”として楽しみたいならX100VI。価格は高いですが、得られる体験は圧倒的です。
- 持ち歩きやすさ重視の人はFZ55 旅先で荷物を減らしたい、サッと撮りたい人は軽量で手軽なFZ55が向いています。夜景や暗所よりも日中スナップや旅行記録向け。
- 写真体験重視・作品づくり重視ならX100VI 写真を撮る楽しさや高画質・動画の質感にこだわるならX100VI。操作はやや難しいですが、その分得られる満足感は段違いです。
まとめ:どちらも「いいカメラ」だが目的は違う




FZ55もX100VIも、どちらも優れたカメラです。しかし「どちらが上か」ではなく、「何を撮りたいか」「どんな体験を求めるか」で評価が変わります。
- X100VI:撮る前から楽しい、作品レベルの写真が撮れる、操作感・道具感がある
- FZ55:軽くて気軽、サッと撮れる、日常や旅のスナップに最適
- 画質や性能だけでなく、持ち出しやすさや操作感も考慮して、自分に合ったカメラを選びましょう。



