- なぜX100VIを持っている私がFZ55を買ったのかの本当の理由
- Kodak FZ55の長所・短所を実使用シーンで深掘り
- iPhoneやX100VIとの使い分け、具体的な撮影テクニック
- 作例から読み解く「平成っぽい」写りの正体

こんにちは、ナニガシ(@nanigashi_net)です
X100VIを持っているにもかかわらず、あえてKodak PIXPRO FZ55(以下FZ55)を買いました。理由は単純で、日常に埋もれていく“何でもない瞬間”をもっと残したかったからです。
高級カメラは画がいい反面、持ち出すハードルが高い。スマホは手軽ですが、撮れる絵がいつしか“きれいすぎて”味気なく感じていました。FZ55はその中間にあって、価格も軽さも“気楽さ”を与えてくれるカメラです。
この記事は単なる製品説明ではなく、私が実際に1ヶ月ほど使って分かった“現場目線”のレビューです。写真を趣味にしているあなたにとって、FZ55がもたらすメリット・デメリットを具体的にイメージできるはずです。
購入に至った背景(詳述)





冒頭にも書いたのですが、私は25万もするFUJIFILMのX100VIというコンデジをすでに持っています。
私がX100VIを買った理由は、写りと所有欲の満足でした。フィルムシミュレーション、レンジファインダースタイル、APS-Cの描写――どれも大満足です。しかし、重量は約500g。日常的に首から下げるには“気合い”が要ります。


- ここぞという撮影用途ではX100VIがベスト。解像・階調・フィルムライクな色は圧倒的です。
- でも、スーパーでの買い物や近所の散歩、友人との軽い食事には“重く”て持ち出していない。
その“撮らなくなる喪失感”を何とかしたくて、軽くて安く、でもスマホとは違う写りが得られるカメラを探し、FZ55に行き着きました。



GR3Xも検討しましたが、GR4Xが出そうなので、一旦見送り。
FZ55は買い替えコストが低く、失敗しても精神的ダメージが小さい点も決め手でした。


FZ55の“スペック”(簡潔に)
細かいスペックはホームページとか他のYoutuberさんとかが紹介してくれているので、ここでは簡潔に。
- 有効画素数:1,635万画素
- 光学ズーム:5倍相当(広角〜中望遠まで)
- 動画:フルHD対応
- 重量:約120g(実測: ポケットに入れて気にならない軽さ)
- 内蔵フラッシュあり
※細かい数値はメーカー仕様ページをご確認ください。ここでは“使い勝手”に直結するポイントを重視しています。
最近のiPhoneは画素数が4800万画素あるので、画質悪いのでは?と思ってしまいがちですが、全然そんなことはない。
実は4K27インチモニターとか大画面で見ても、全然気にならない画素数です。
5倍ズームが地味に便利で、いろんな構図を楽しめる。






残念ながらmicroUSB端子です。
ただケーブルから直接バッテリーを充電できるのはせめてもの救い。


実測で121gでした。
使ってわかった“深掘りメリット”



この1ヶ月で感じたメリットを紹介していきます。
1) ポケットに入る安心感(携行性)


胸ポケットや小さなバッグに放り込める軽さは、想像以上。買い物のついでにふと被写体を見つけたとき、「今日は撮るぞ」と気負う必要がありません。結果、写真を撮る回数が明らかに増えました。
X100VIで撮ろうとすると、「あっ」と思ってもレンズフードを外して、構えるまでの時間がかかるので、結局撮影しなかったり。
友達といる時なんて、自分だけ撮影でノロノロするわけにはいかないので、結局カメラを出さずに終わるなんてことも。
その点、FZ55はポケットに入って、起動からシャッターまですぐ。撮影にこだわりすぎないので、グループ旅行とかにぴったりです。



レンズ沈胴式なんで携行性も最高。
2) “エモい”写りは説明しにくいが確かにある


高解像でシャープな画ではなく、じんわりと温度感のある写り。粒子やわずかなブレ、色の落ち方が“平成っぽい”とSNSで言われる所以だと思います。
特に光が最高。


撮って出しなんですが、どうでしょうか、この光。
感覚的に言うと:iPhoneが“現像済みの写真”だとしたら、FZ55は“現場でぽっと出るフィルム写真”に近いです。
3) 内蔵フラッシュが実用的


小さなボディながらフラッシュの効きが良く、居酒屋や薄暗い飲食店での人物撮影に向いています。人物の肌が不自然に飛ぶことなく、空間ごと明るくなるのが良い点です。
まるで写るんですで撮ったかのような、完成度。







人の写真は載せられず…
4) ズームがあることで構図の幅が広がる


これまで単焦点派だった私にとってズーム搭載は新鮮でした。被写体に近づけない状況(混雑した路上、展示物など)で威力を発揮します。
5) 精神的コストが低い
万が一落としても、盗まれても、精神的ショックは少ない。価格が抑えられているカメラの利点です。気軽に持てる=写真を撮る機会が増える、という好循環が生まれます。
使ってわかった“深掘りデメリット”と対策
1) 手ぶれ補正は実用的ではない





この写真は曇りの昼間にフラッシュなしで撮ったものです。ズームなし。
夜間や暗所ではブレやすく、手持ちでの低速シャッターは厳しい場面があります。
昼間でも屋内や曇りの日だとぶれてしまうことがあります。特に、5倍望遠はぶれやすい。
ちなみに動画も本当にブレっブレでこれはこれで、デジカメが出たばかりを思い起こさせる。



ただ、このカメラを買う人ってブレるのを承知で、むしろブレを楽しみたい人だと思っているので、ある意味メリット?


あまり需要ないとは思いますが、三脚穴も一応ついています。
2) ボディがツルツルして持ちにくい


コンパクトゆえにグリップ性が低く、滑りやすい感触です。落下リスクを感じる場面があります。
胸ポケットに入りはするのですが、屈んだ時にスルッと落ちてしまいそうで、リスキーな感じはします。


私は、Amazonで購入したシリコンカバーをつけて、万が一の落下に備えています。





画面カバーもついているので、結構お得です。
3) オートフォーカスの遅さ
連写や一瞬の決定的瞬間を狙うには向きません。スナップ的にゆっくり撮るスタイルが合っています。
オートフォーカスも早くないし、なんなら何秒経ってもピントが合わないことも。
特に暗いところと、動き回る被写体には向いていないかと。。。
むしろこの不便さを楽しめる懐の深さが大事です。



私は、ピンボケした写真も失敗と思わず、一つの味だと思って楽しんでます。
対策:旅行や風景、ゆったりしたスナップには十分対応可能です。
4)縦撮りが横のまま保存されてしまう
おそらくジャイロセンサー非搭載。
カメラを縦に構えて、縦構図でとっても、スマホに取り込んで保存した時には全て横向きになっています。


iPhoneは縦で撮ったら、縦で保存、横で撮ったら横で保存されるのですが、FZ55は全て横向き保存。
写真アプリでいちいち回転させる手間が発生するのが、ちょっと面倒。
作例から見る“平成っぽい写り”の正体
私が撮った作例を見返すと、共通点は以下の通りでした。
- シャドウの潰れ方がやや強めでコントラストがしっかりしている
- ノイズや粒子感がほどよく残る
- 色の飽和が控えめで落ち着いたトーンになる
- 光のコントラストがある
結果として「懐かしさ」「人の体温」が写りやすいのだと思います。これがSNSで若い人に刺さる理由でしょう。



逆に明るくて、ピーカンの中ではスマホとの違いがわからなかったり
ノーマル撮って出し








ちょっとぶれているのが逆にいい。





これはFZ55らしさが現れたお気に入りです。


こういう写りすぎないところがいいですね。


こういう影がなく、順光の写真は、FZ55らしさをあまり感じられないと思ってしまいました。
ちょっと設定変えてみる
FZ55にもともとついているフィルター機能などを使って撮り比べしました。




色合いが鮮やかになる。
富士フイルムでいうVelviaに近い写り。


実は、FZ55が売れているもう一つの理由ってこの白黒にあるのではないかと思っている。
私はあまり白黒写真を撮らないのですが、好きな人にはハマりそう。


ふわっとした写り。
これは変わり種として、結構好きかも。


一般に言う、周辺減光モード。
昔ながらの写りですよね。



ぼかしモードが一番のお気に入りで、最近はノーマルよりこっちで撮ることが多いです。


最後に手持ちのiPhone13 Proで撮った写真を比較用に。
こうやってみると全然違いますね。



iPhoneはダイナミックレンジを広く、全てを綺麗に写そうとするカメラって感じ。暗いところも明るく。
FZ55はどんな人におすすめか


- 普段はスマホで撮っているけれど、雰囲気のある写真を手軽に撮りたい人
- 旅行中に荷物を増やしたくない人
- 飲み会や友人との集まりで気兼ねなく人物を撮りたい人
- フィルム風・レトロな写真が好きな若い世代
- 高価なカメラを普段使いするのが不安な人
逆に、「決定的瞬間を逃さない高速レスポンス」や「高精細で大判印刷したい」というニーズには不向きです。
FZ55におすすめのアクセサリー
- フィンガーストラップ:落下防止と持ちやすさ向上のため必須。
- シリコンカバー:滑り対策として有効。
- SDカード:撮影頻度が上がるので備えておくと安心。
よくある質問(Q&A)
Q:FZ55は初心者向けですか? A:はい。操作がシンプルで即撮影できるため、カメラ初心者にも扱いやすいです。ただし夜間撮影の扱いは少し学びが必要です。
Q:おすすめの設定は? A:普段の撮影であれば、明るさを少し落として撮るのがおすすめです。さらにフィルムっぽくしたいのであれば、周辺減光をさせるためにぼかしモードもおすすめ。
最後に(まとめ)
Kodak FZ55は、欠点の多い“完璧ではないカメラ”です。しかしその不完全さが逆に“味”となって、写真を撮る回数を増やし、日常の記憶を残してくれます。
もしあなたが「スマホ写真は綺麗だけど味がない」と感じているなら、2万円ほどの投資で世界が少し変わるかもしれません。X100VIのような高級機を持つ人ほど、FZ55の気楽さを一度体験してみてほしいです。





